このレビューはネタバレを含みます
今までほとんど実写映画を観てこなかった自分を映画好きにさせてくれた映画。
今でもたまに観返すくらい好きな作品。
原作の中村文則さんが元々好きで、実写化されるのを知り、映画館に足を運んで鑑賞した。
原作特有の純文学的な雰囲気や描写をこれでもかと言う程巧みに映像で再現されていて、終始緊迫した空気が漂う作品。
主演の村上虹郎が銃を手にして狂気に駆られる主人公を見事に演じきれていたし、彼の持つ独特な空気感や佇まいが絶妙にこの作品にマッチしていたように思う。
それだけではなく、脇を固める岡山天音や広瀬アリス、リリー・フランキーといった豪華な面々も最高にいい味を出していた。
喫茶店での虹郎とリリー・フランキーのシーンが特に好き。
始まりからモノクロだった映像が、主人公が人を撃ったラストシーンでまるで何かから解放されたかのように一気に色付き、鮮やかなカラーに変わる場面は多分この先も忘れられないだろう。
ちなみにこの作品がきっかけで村上虹郎という俳優を知り、あっという間に虜になりました。