さりさり

ランボー ラスト・ブラッドのさりさりのレビュー・感想・評価

4.0
復讐の鬼と化したランボー。
まさかシリーズ完結編で鬼に変貌するとは思っていなかった。
華々しい救出劇で幕を閉じるのかと思っていたら、予想外の展開に私もショックを受けてしまった。

シリーズの最後で、とうとう無念の涙を流してしまったランボー。
その後悔の念がランボーを変える。
穏やかで静かな老後を送っていたはずなのに。
なぜ神は過酷な運命をランボーに与え続けるのか。

ランボーが企てた復讐は、これまでの集大成と言ってもいいと思う。
頭を使い、考え抜かれ、念入りに計画された復讐ステージ。
行き当たりばったりのドンパチ合戦ではない。
今回は、そこが一番の見どころだったと思う。

ラストは感慨深いものがあった。
これまでの過酷な運命が頭の中に甦る。
だからこそ響くラストシーン。
エンドロールに胸が熱くなった。

短期間だったが、今回「ランボーマラソン」を行って、彼の激動の半生を知ることが出来たことは貴重な体験だ。
回を追うごとに、世間での映画自体の評価は下がって行ったかもしれない。
でも『ランボー』を撮り続けることに意味があったんじゃないか、とも思う。
今回、老体のランボーにもう筋肉を拝むことは出来なかったけれど、ランボーの “怒りの精神” は変わっていなかった。

正義と勇気。

最後まで闘い続けたランボーの魂は尊い。
私はそう思いたい。

ありがとう、ランボー。
ありがとう、スタローン。

さりさり

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