音声によるストーリーテリングという技法先行の前情報で見てみたが、ストーリー自体が想像だにしなかったほどキツかった。
これぞ映画というストーリーテリングと、巧妙に張られた伏線と回収、そしてサプライズ展開まで、非常に良くできている。
映像として目に見える舞台は緊急コールセンターの部屋から一度も出ないのに、観ている我々はワゴン車の助手席、パトカー、家族の家、男の家と様々な舞台を体感していく。それが全くに自然で、立ち止まって考えなければこのストーリーテリングが特殊だということを意識しないほど。
物語が二転三転する展開は正直途中で読めてしまったので、そこまで「ヤラれた!」という風にはなれなかったが、映画としてはあまり文句のつけようのない、高水準の作品だと思う。
以下ネタバレ。
精神病を抱えた母親と、離婚した父親、娘とまだ赤ん坊の息子。家族構成が自分と完全に一致していて、かなり食らってしまった。軽々と人にオススメできない(特に子持ちには)映画だということは確か。
奥さんのメンタルを良くケアしてあげないと、優しくしてあげないとと思えたのは、良かったかもしれない(苦笑