minaduki

キューブリックに魅せられた男のminadukiのレビュー・感想・評価

3.0
1人の天才を支えるために、自分の人生を投げうった男がいた

天才はまた天才的な人たらしでもあったのか、それとも男が天才の生み出すものに魅せられ傅いたのか

男は編集の下働き、効果音作り、キャスティングの予備選考、映画祭出品用のフィルム焼き増しとチェック、インターネガの作成、ビデオ原版作り、ジャケット、広告等の印刷物チェック、ワーナーブラザーズとの連絡調整、役者との読み合わせ、そして自分も出演するという八面六臂の活躍で撮影現場、ポストプロからパッケージ、宣伝まで不眠不休で働いた

いったいこの人はいつ寝ているのだろうと周りは不思議がる

バリーリンドンで役者としてキューブリックに出会ってから、アイズワイドシャット撮影後にキューブリックが亡くなるまで、天才を30年支え続けた男は言った

自分はスタンリーの奴隷でも助手でもない、Film worker だ
自分が尽くしたのはスタンリーの映画作りに対してだ

カメラを真っ直ぐに見つめてつぶやいた男の顔に嘘も気負いもなかった
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