くわまんG

ローライフのくわまんGのレビュー・感想・評価

ローライフ(2017年製作の映画)
4.5
あらすじ:正義を葬ろうとすれば、正義の鉄槌が下るぞ。

立場が弱い人の弱みにつけこんで、私腹を肥やすマフィアに、このままだと皆死ぬまで喰い物にされちまう…というお話。

初期タラちゃん映画風の、因果応報がエモーションを掻き立てるバイオレンスドラマ。生き残るに相応しい人は生き残り、痛み分けが相応しい連中は痛み分けで、無様な死が相応しい外道はこの上なく無様に死ぬ。

底辺生活ローライフにあっても、誰かのために生きる人たちには、いつか伝説の覆面レスラー“モンストロ”が救いの手を差し伸べる。それは、人ではなく理念。いくら持ち主を殺そうとも、いや殺せば殺すほど強固になって受け継がれてゆく、自己犠牲という名の愛だけが呼び込む無敵の正義。

緊張と緩和のさじ加減とかストーリーの細かな繋ぎとかには、素人目にも粗が見えたけど、無骨でヒリヒリする演出は目を引いたし、何より肉片血反吐にまみれたパウンドが生むカタルシスは本家顔負けで、マイベストムービー『Vフォーヴェンデッタ』級だった。