ブルームーン男爵

ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪のブルームーン男爵のレビュー・感想・評価

3.9
グッゲンハイム家は大富豪の一族で、ニューヨークにあるグッゲンハイム美術館でその名を知る人も多いだろう。そんな裕福な家系に生まれた自由奔放で風変わりなペギーが本ドキュメンタリーの主人公。一族は金持ちだか私は僅かなお金しかなかったというが、相続した資産はうん十億円だからスケールが違う。ちなみに、ペギーのお父さんは、タイタニックで亡くなったー映画タイタニックでも出てくるが、沈むゆくシーンで「紳士らしく正装で船と運命を共にする。ブランデーをくれ。」といった人。

単身渡欧し、モダンアーティストと交流し、ロンドン初のモダンアートの画廊をオープン。アーティスト達のパトロンとなる。かなり破天荒でいまでは信じられないような著名な芸術家達と浮名を流したという。

しかし、当時は彼らの作品などゴミ扱いで、コレクションのピカソ、ポロック、ダリ、モンドリアン、ダリ、クレー、デュシャンなどは少額で集められた。いまではその全コレクションを集めた費用を足しても1作品も購入できないほど暴騰している。

名伯楽だったといえるが、値上がりしなければただの変わり者に終わっただろう。そんなペギーはついの住処にヴェネツィアを選び美術館をオープンし、名所になっている。名家に生まれながら、その奇行から一族からのけ者にされたものの、偉大なモダンアートコレクターになったペギーの生き様はとても興味深かった。