このレビューはネタバレを含みます
おまたせしましたっ！と言わんばかりに最後に登場するホテル。うわあっ長い前フリだったな…と思わず呟いてしまった。
悪くはなかった。新要素として投入された人々と主要人物たちの異能力バトルのシークエンスはなかなかカッコよかった。図書カードみたいなのをめくり合う所とか。
しかし新要素人物同士は馴染んでいるが、そこにダニーがキレイにハマっているかというと、もひとつだった気がする。肌合いが違う。ホテルのスタンドで吸魂鬼と戦うダニーって、ジョジョの奇妙な冒険みたいで。
可視化しすぎか。目に見えない"なにか"をあの手この手で映画に刻んでいた「シャイニング」とは別物だなあと思って終わったのだった。
あと子供を殺すシーンはやはり見たくなかった。もっとも唾棄すべき悪として子供殺しは使われるが、そのシーンを燃料にして悪役たちを憎めるほど単純にはなれないかも…ダニーもひとり見殺しにしてるしね。あれが一番こたえたかも…
いちばんのメッセージってなんだったんだろう。孤独な人たちに、孤独じゃないよ、闇じゃないよとその肩を手のひらで包むみたいな気持ちだろうか。ホスピスでひとり息を引き取ろうとしている老人、自分の根幹に関わる超常力が誰にも理解されない子供、人生に疲れた時親切にしてくれる他者。ドクタースリープはあなたの側にいるかもしれない…みたいな。
