みーちゃん

アルキメデスの大戦のみーちゃんのレビュー・感想・評価

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
2.5
演者が良いとか、このシーンが凄いなど、点と点の話はさておき、私はあまり感情が動かなかった。

普段は分かりやすい描写は要らない派だけど、平坦過ぎて伝わりにくい気がした。もう少し反戦を打ち出してもいいような気がする。敢えてこうしたのかな?これは抑えた表現なのだろうか?いずれにしても過去の過ちを取り上げる映画は、色々な視点で描いた方がいいから、完璧を求めて少ないより、たくさん作ったほうがいい。賛成。

それを前提に、終盤で平山忠道が持論や思想を語るシーンには吐き気がするが、この映画のおもしろさは、純粋に戦争を阻止したいと考える、無垢で、天才で、視野の開けた、合理主義の櫂直が、あんな逆説的な軍国主義の狂った手段に数学で反論できないという状況そのもの。だから、あの場面はその事実に愕然とし、目の前にいる平山ではなく、自分との対峙にフォーカスした方がいいと思う。きっと立っていることさえ出来ないほどの衝撃じゃないかな。

それならあのラストがもっと効いてきて、こちらまで涙が流れたかもしれない。