アメリカ西部の町ボトルネック。
ここを牛耳る悪徳市長は酒場の歌手フレンチーに片棒を担がせ、牧場主の土地を根こそぎ奪い取る。
これに抵抗した保安官は殺され、後任には酔いどれのウォシュが選ばれる。
しかし彼は心を入れ替えて、町のウジ虫一掃にトムを呼び寄せる。
1939年、ジョージ・マーシャル監督作品。
丸腰の保安官補佐が自力で町の腐敗と戦う。
酒場でミルクを注文して笑われるというシーンの元祖がコレ。
それだけ確認したくて観たのですが、西部劇には興味一切なしの私にも、これは最後まで楽しめた。
とにかく、マレーネ・ディートリッヒが綺麗だった。
マレーネの女性らしいのに媚びてない気高い美しさ、歌ってる時の表情のかっこよさ。
あれは普通にホレる。
彼女は酒場の歌手で、彼女が
「お酒が飲みたいわ。奢って。」
と言うと、次々にビールが出てくるくらいモテモテだった。
内容は西部劇で、荒くれ者達が大暴れしている町で、弱気を助け強気をくじく為に保安官代理としてやって来た男性が、最初は平和的に法律で解決しようとするんだけど、最終的には力技でなんとかしたっていう話だった。
アメリカ映画の垂直統合体質が丸出しというか、極めてハリウッド的な映画ですね。
前半はちょっとお説教臭い感じもあったが、後半からラストにかけての展開はちゃんと物語そのものの魅力で引き込んでくれて、しっかり楽しめた。
セリフ回しやシーンの構成も洗練されていて、現代に繋がる、いい意味でのハリウッド・スタンダードを感じさせる。
初めて観たマレーネ・ディートリッヒの存在感もいいが、思いっきり若いジェームズ・スチュアートもいい味。
ラストのほろ苦さもいい。
現代の目から観ても決して古臭さを感じさせない、立派な傑作だと思う。