がんがん

リアム16歳、はじめての学校のがんがんのレビュー・感想・評価

4.0
レディバードが好きで、かわいいおばあちゃんが好きな人は絶対ハマる作品!

一目惚れした女の子のために、ずっと家庭内教育だけで生きてきた子が、生まれて初めて公立高校へ行きたいと言う。16歳の男の子が親離れし、インフィニティ愛をささげるシングルマザーの母が子離れをする2人の物語。90分弱におさめたテンポもすごくセンスある。

全編カメラの位置が神懸かってた。

登場人物が必ず画面の右下か左下に配置されていて、空の色味や、壁面に飾られた小物、背景の奥行きなど、全てきちんと計算された美しいレイアウトのセンス。

家庭教育のみで育ったリアムは自分の部屋の中が全て。自分の好きなモノで部屋が溢れてる。画面上部に天井から吊られた惑星が入ってきたり。

ママとリアムが交互のカットで喋るシーンの余白や奥の位置に必ずピントがあってなくてぼやけているおばあちゃんが配置されてるのはたまらなくかわいい(おばあちゃんもセックスしたい!とか言い出すし!!)

一目惚れのシーンはロッカーから少しだけ見える横顔と義足だけをとても美しく映していて、リアムじゃなくてもハマる気持ちはわかる。義足を触らせてもらうシーンなんかエロいのに神秘的で不思議なカットだった。

校長の部屋には大きな抽象画が飾られているけど、観葉植物は水を貰えておらず元気がなかったり、釣った魚には餌をやらない性格なんだろうなぁとか。

登場人物が配置されている画面の余白に、そのキャラクター性をうまく描写させるアイテムを置いていて、どの画面を切り取ってもポストカードになるようなアート性が高かった。

初恋=スーパーノヴァで表現しているのも面白い。宇宙の誕生の瞬間の奇跡を、甘酸っぱい一目惚れのドキドキ感と照らし合わせる。2人の距離感を地球と月の距離や惑星直列で示したり。

最初から最後まで監督のセンスを楽しめました。

フレンドリストはきっとこれから増えていくっていうエンディングも良かったです。
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