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ROMA/ローマのreifのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.5
スクリーンでかかるというのでアウェイのイオンシネマに行ってきました。しみじみと良い。'70s が舞台の、'70s ヨーロッパ映画のような穏やかさ、確かさをたたえた風格ある物語です。実はタイトルから「ローマのお話」と思い込んでいた。スペイン語で喋っとろーが! メキシコシティです!

主人公のクレオは裕福な家庭の女中さん(と今言わないのかな、差別用語ですか?)。女中二人に運転手だと。同じ豪邸で暮らしながら、透明な布越しのような別世界に住む白人と現地人の断絶のお話、じゃないんだな。クレオが本当に本当にいい子で彼女が息づいていることがうれしくなる。口数少なく感情を抑え自分の仕事をする働き者。メキシコ女ってみんなこう?(そんなはずがない)。本当にいい子。対するメキシコ男は何なんだ、わざとクズばっか。つまりこのお話は「女子供」のお話なんです。

別世界に住む女主人と女中の精神がシンクロしているの。クレオが泣きたい時、女主人が泣いている。

海が映る、とても怖い。悪いことが起きる…。その時、薄い布が剥がれ、彼女たちは本当の家族になる。美しい物語でした。わからないことも多々あるんだけど(空高い飛行機は何の比喩だ)、こんなの撮らせる Netflix の矜持に感じ入る
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