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ディリリとパリの時間旅行の広島カップのレビュー・感想・評価

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)
4.0
1900年、パリでは第5回万国博覧会が開催されていた。そこにニューカレドニアからやって来た少女と現地で運送屋をする青年が知り合い、パリで暗躍する誘拐団を捜査するという物語。

監督が撮り溜めたパリの街の写真とアニメの人物を融合させて構成している画面は、全く違和感無く馴染んでいるし独特の味を出している。ヴィヴィッドな色彩が見事。パリの街の風景が本物以上に美しく映える。独自の世界を構築するアニメはこうでなくっちゃと思う。
ちょっと意地悪な目で見ると2000年代の街の風景は1900年のそれとは少し違うのでは?と思ってしまいますが、歴史のある街だし百年くらいたいしたことないのでしょう。東京だとかなり変わってしまってこんな風にはいかないと思う。
そのパリの地上のみならず地下も舞台にして、縦横斜めに陰影の無い作画で描かれた人物達がアクティブに躍動するストーリーも楽しい。

19世紀末から第一次大戦勃発(1914)頃までのベル・エポックの時代。当時の有名人が総出演しているのが嬉しくなる。絵画や音楽だけではなく文学や科学の分野からも著名人が一堂に会して、まるでオールスターゲームを観るようなお祭り的な雰囲気を感じます。
数名を挙げてみると...
クロード・モネ(1840〜1926)
オーギュスト・ルノワール(1841〜1919)
アンリ・ロートレック(1864〜1901)
クロード・ドビュッシー(1862〜1918)
エリック・サティ(1866〜1925)
アンドレ・ジッド(1869〜1951)
マリー・キュリー(1867〜1934)
ルイ・パスツール(1822〜1895)
and more and more...
と、錚々たる面々。
何故かパスツールは万博前に鬼籍に入っていたというご愛嬌もあります。
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