まりぃくりすてぃ

近距離恋愛のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

近距離恋愛(2008年製作の映画)
3.9
映えハロウィーンでポップホラーみたく始まって、そこそこ中身が詰まってた。いい意味で漫画的(なわかりやすさあり)。
主役トムのマヨネーズ声がちょっと苦手。けど、構成とか、いろいろ丁寧で、“甘美” へと現実逃避させてくれる力を律儀に持つコメディーかな。後半のスコットランドの章は興味深い広がりをくれた。
新宿シネマカリテか武蔵野館で大人レディーたち(アラフォー~アラフィフ?)がゆったり楽しみそうな感じのモダン洋画だった。
あ、カリテといえば、あそこでいつも幕間に小音量で流れる Bob Acri の 「Sleep Away」が私は好き。(https://youtu.be/I6PHgtdxFrY)

最後だけは、悪い意味で漫画的だったかも。悲恋とかのほうが私たちみんなの好物なんだよね。
だから、あのクライマックス、実は「野道で落馬したトムの夢でした」ってことにして、トムが横たわる横で馬が嘶いて終わりにしとければ傑作度上がったのに。。

配役は、全部マル? サンカク?
脇役のステファニー役のウイットニー・カミングスがドーリー髪ですらっとしてて(私のバンドのベーシストにしたいほど ☜ただの例えですが)綺麗だった一方、MN (見かけに・難あり)な人たちを三人ほどわざわざ配置(サイコナース、バスケのADHD男、ぽっちゃりヒラリー)してキモさや道化みを強調してるのが、悪ふざけ的? まあ、そういうキャラたちがオーナメントになってて飽きさせなかったのは確かだし、現実社会でも「麗:凡:難」の比率ってこんな感じだったりするから、リアルめな役者選びと演出だったってことで肯定してあげてもいい。

ところで、『遠距離恋愛』『近距離恋愛』と立て続けに観て充足したから、あと一つぐらい、ってレンタル店に行ってこんな会話を店員と交わしたりしたら、ぶっとぶ。
「すいません、『無距離恋愛』っていうの、検索機で出てこないんすけど、やっぱ、そういうのは、ないっすよね?」
「『無距離恋愛』ですね、お調べします。……あ、ございますよ♪ えーと、『愛のコリーダ』っていう邦題がついてますけど。借りていかれますか♪」
「あー、大丈夫です」