MISSATTO

Girl/ガールのMISSATTOのレビュー・感想・評価

Girl/ガール(2018年製作の映画)
4.0
夏休みに中学生高校生、その親たちにも見てほしい映画。見た後話し合ったりしなくて良い。むしろ見た、と言う行為だけで何か残してくれる映画。

見終わってからフラッシュバックで主人公の色んな表情が蘇り、考えさせられた。
まるでドキュメンタリーでも見てるかのような淡々とした…と言うよりもグッと何か力強く抑えた彼女の日常を描いてる。
カメラの動きに少し酔った。

芯が強く、才能があり将来があり、もし…もし心と同じ身体で生まれたのなら思春期を他の子のように謳歌することも出来ただろうことは容易に想像ができる。
父親はとても素直で真摯で、何より娘を愛していて誰よりも理解者でありたいと願っているのが分かる。たぶん多くの鑑賞者はシスジェンダーだろうから、この父親にエールを送りたくなるし、人によっては自分を重ねるかもしれない。私は多くのシーンで父親に気持ちが寄っていた。だからずっと不安と無力感を感じながら映画を見てた気がする。

母親の影がないのが、私としては演出上とても良かった点。近過ぎる余計な女性像はない方が、社会の中の彼女に集中出来る。

思春期は多かれ少なかれ人との違いに悩み受け入れる時期だけど…
ラストは考えれば考えるほど突然でも必然でもある気がした。
どこの視点で見るかでそれは変わるんだろうな…
MISSATTO

MISSATTO