北斗星

グリーンブックの北斗星のレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.5

トニーが初めて面接でドクターに会った後、帰宅後奥さんに『玉座に座ってオレを見下ろし、どこかの王様みたいな衣装を着てた。部屋には剥製があったんだ‥』みたいな様子を伝え、首を傾げてる。

あいつ、かなり可笑しくないか?と真顔で云う。
あんな奴と長旅なんかして、オレ大丈夫か?


2人の旅はその後すぐに始まる。


トニーがケンタッキー州でご当地ケンタを食べ、車からポイ捨てする。
シャーリーにも勧める。
チキンは素手で頬ばるとすごく美味い!
シャーリーも興味津々。
ホネは?
勿論ポイ捨てさ。



旅の真の目的をトリオの仲間から聞いた。


ナット・キング・コールのエピソードも衝撃を受けました。この映画に流れている[差別]というテーマ。イタリア系に対する差別も勿論ある。



彼らが旅の最後に寄った田舎の大衆酒場。シャーリーはJAZZも好きだが、本当はショパンなどのクラシックの演奏会をしたかった。
その思いで、『木枯らしのエチュード』をいきなり弾く。すごく格好いい。
場が緊張感に包まれ、客の視線が一気に集まる。


その後、店のJAZZメンバーと即興演奏する。


何かここで、人種の垣根が取り払われ、それこそ音楽で人と人とが繋がってゆく。


シャーリーもとても自由で愉しげにピアノを弾いている。
誇り高き挑戦もいいけれど、こうしてラフなセッションもまた楽しいのでは?と感じました。


トニー一家や親族の集まった賑やかなクリスマスディナーに、シャーリーが照れくさそうにやってきて、ワインだけ置いて帰ろうとする。が‥。


その後のシャーリーの心からの笑顔がとても印象深い。
普段の気難しい彼からは想像出来ないような、非常にキュートな笑顔に変わる。



トニーの奥さんへの詩的な手紙のお礼。




特別な夜。
今夜は独りじゃない。
たくさんの人達とディナーを囲む最高のクリスマス!
北斗星

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