このレビューはネタバレを含みます
昔から知ってはいたが、多分自分には楽しめないだろうと思ってるうちに時が経ってしまっていた。
久しぶりにあらすじを読み、俄然興味が湧いた。
舞台は近未来。
既に2019年は過ぎた。
宇宙への入植や、人造人間(レプリカント)をAIに、酸性雨を環境破壊に置き換えてみると、まさに現代を言い当てている。
レイチェル(ショーン・ヤング)の顔は左右対称。確かに整いすぎている。
近未来的な街並みは、日本の歌舞伎町をイメージして撮ったらしい。昔の香港の雑多な感じもミックスされていて面白い。
強力ワカモトの広告映像がいきなり出てきてビックリした。
タイレル博士の目潰しシーンは思わず正視できず、薄目で見てしまった。
所々、グロい。
ラスト近く
酸性雨が降り注ぎ、リック(ハリソン・フォード)を助けたロイ(ルドカー・ハウアー)。
何故、助けた?
ロイの台詞に泣かされる。こんな台詞を口にしながら涙を流すなんて、彼はもはや人造人間じゃなく、人間に見える。だけど、レプリカントのロイが言うからこそ、ものすごく物悲しいわけで、、。
めちゃくちゃいいシーンだった。
台詞、映像、音楽、全てがここに凝縮され美しい。 哲学的。
やがてリックとレイチェルは逃避行へ。
アメリカの果て、グランド・キャニオンが映るラストも良かった。
何と言うか、同じ近未来モノ『ガタガ』にも通じる不思議な“浮遊感”みたいなものが作品にあった。面白いと言うよりは、この先どうなるんだろう、と。