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愚なる妻のAKALIVEのネタバレレビュー・内容・結末

愚なる妻(1921年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

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2021年以降の映画を理解し易くする為に、1920 - 2020までの100年を映画100本でレビューしていく試み。🌈毎日22:00に投稿します。
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Erich von Stroheim監督『Foolish Wives』(1922)は、10時間完全版や6時間2晩上映版や4時間2部構成版があったそうだけれど、それを2時間前後の現在(いま)観られる版に、監督にフィルムのカットを命じたのは若き天才Irving G. Thalbergプロデューサーでした。Jean-Luc Godard監督は批評の中でHoward HughesとともにIrving G. Thalbergを大きく扱い、とくに1年における製作本数の膨大さに注目したそうです(!)。この辺りの経緯、私は当時の映画人たちの、映画に対するアツい想いを感じるのです。何故なら映画は全く破綻せず、表現したかった事がありありと伝わってくるからです(❣️)(いつの時代も🧐🥳…?)。
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Jean Renoir監督『La Grande Illusion』(1937)のドイツ人将校役として知られるErich von Stroheim。この自身の映画にも主演で出演しております。そういった(偽の)貴族的な華やかさは彼のトレードマークであって、彼の映画に刻み込まれているのです。その辺りもとても興味深いので是非調べてみて下さい(!)。
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この無声映画の名作では、Erich von Stroheimが演じるSergius Karamzinは"伯爵"であり、"妃殿下"のOlga Petchnikoffと"王女"のVera Petchnikoffと共に、純真な女性を騙して金を巻き上げる詐欺師です。どうにかして上流階級に入ろうとするヒトたちの話でしたが、愚直な姿も観られて、とても、現実的な、ニンゲンについての映画なのです。そして、幻滅していく姿も、観どころ(!)。👀完璧なアイリス・ショットから始まる冒頭のシーン、あまりにリアリスティックに撮られた〈モンテカルロ〉を舞台にした前半シーン、彼が誘惑して捨てたメイドのMaruschkaが発狂し、KaramzinとHelen Hughesが閉じ込められた建物に火を放つ終盤のシーン、まあ凄まじい。
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👀Maruschkaが断崖絶壁から海に飛び込んで自殺するシーンは、正真正銘の映画です、魔法です🎞 この発想は今じゃ当たり前かな。
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「やっぱり人間の愚かさを見たいじゃないですか」(©︎木津毅)ーーその通り!(❣️)。
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1922…
フラッパー、フェミニズム
終(つい)に狂騒の20年代が始まりました。
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New Orleans Rhythm Kings「Bugle Call Blues」(1922)
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https://open.spotify.com/track/3prsaU863W5Nz98uxY6JKr?si=bYQNqXK-S5SM-Y0CrdRV0Q
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