橘

マダムのおかしな晩餐会の橘のレビュー・感想・評価

マダムのおかしな晩餐会(2016年製作の映画)
3.7
面白かったです。
マリアの主人夫婦、特に妻のアンの階級意識にイラッとして、振り回されるメイドのマリアが気の毒…と思いながらこわごわ観ていました。
でも発端の晩餐会は面白かったです。マリア、お酒カパカパ呑んでるとハラハラしてたらジョークが際どくて笑いました。玉ねぎ、秀逸。

誤解で恋されるマリアが、貞淑で有能なメイドから、ミステリアスでエキゾチックになってきて、生き生きとしてくるの良かったです。決して美人さんじゃないけど美しくて。
幸せになってほしかったな〜って思うけれど、ハッピーエンドを望みます。
デイビッド、スティーブンの小説を読んでて途中からマリアの正体知ってたんじゃないかなって、最後の会話聞いてて思いました。プールのときも、子どもの面倒見てるの気づいてるだろうけど平然としてたし。だからあれから追いかけたのでは、と。。
でもラストをどうとでも取れるようにしてたの良かったです。
実っても、実らなくても、マリアにはハッピーエンド。素敵な恋の思い出は大事に仕舞っていけます。

それに対して、主人のアンの空虚さ。虚栄心の塊で見てて痛々しかったです。
不倫は終わるし、夫はフランス語教師と遂に…だったし。ボブ、なんかいつも可愛いおじさんでした。

ラストあたり切なくなったけれど、観終わった今は晴れやかな気持ちです。
よい映画でした。
橘