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高校2のTenKasSのレビュー・感想・評価

高校2(1994年製作の映画)
5.0
自分の受けてきた教育というのは生徒が教師という存在に盲従的になることだという現実をまざまざと見せつけられた気分だった。
少なくとも自分の受けてきた教育というのは自分で思考することを促されはしなかったし、教師に壁を用意されて、「さあ後は自分で登れ。登れないのは力が足りないからだ。」という具合だった。
それに対してあまりにも自由に豊かな議論が交わされるこの映画の高校とはなんだろう。学ぶことが楽しくて面白くて、結果的に何かに結びつき、無駄なことなどないと教えてくれる人たちばかりのようだ。壁に登れない生徒にキッカケを与える。その寄り添う目線だけで感動した。

不要必要それだけでカリキュラムが組まれ能率化と言う名のもとに無駄が排除された教育に盲従しようとして脱落した自分は、この映画に出てくるどの生徒たちよりも、想像力が足らず思考力が足りず、生きることに自信も余裕もないのだと思う。
教育を、ゆとりか詰め込みかなどと言った二項対立でしか議論できないことのあまりに貧しいことよ…。
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