このレビューはネタバレを含みます
よくトランプはわかりやすくてキャラクターが立っていたから選ばれたみたいな話を耳にしていて、ピザとブリトーばっかり食ってるとそんな素敵な選タクシーで自分たちの未来を託すことができるんだなあなどとゆるふわした感想を持っていたのだけれども、なんのことはない、対抗組織も狂っていただけだったという、なんだこの既視感。
鉛汚染についても、そういえば、直ちに健康被害はございませんだとか、完全終息ですキリッだとか、サバ缶流行ってますよいっぱい食べましょうだとか、そんなことを言ってる人たちがいたなあと思い、可笑しいやらなんやら。
アメリカでは労働者や子供たちが頑張っているようだけど、この国では声をあげようとしていた子供たちはすでに叩き潰されてしまったし、相談も団結もないまま春になると死んでいく人たちのこともただ眺めているというのが実際で、じゃあお前はどうするんだと言われてわかったようなことを言ってお茶を濁すのがせいぜいという、自分のこの残念な有様がまた可笑しいやらなんやら。
とにもかくにも、まあマイケル・ムーアのフィルターを通して見た世界ではあるものの、それでもフィクションで知っていたディストピアなんてロマンの付け入る隙があるだけまだマシだったんだなと今更に。