えむ

ベル・カント とらわれのアリアのえむのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ざっくり言うと、日本人実業家ホソカワがビジネスのために訪れたペルーでオペラ歌手を招いた会を開き、そこで人質テロが起こって自身も歌手も巻き込まれていくストーリー。

長い歴史のなかで抑圧されてきたテロリストたちの声明に対して、テレビ見たいからとその場に行かなかった大統領は「暴力には屈しない」とかあっさり人質見捨てちゃうし、女子供は解放と言う割に、オペラ歌手は有名人だから、女性1人保険のために残されり。

そういう政府の酷さを訴えかけるテロメインのサスペンス、と最初は普通にそう思ってたんですけどね。

その割には、途中から、ホソカワさん、ファンだった歌手を呼びたかっただけでしたとか、人質にしてる犯人サイドももおしゃべりなんかして、挙句歌手に歌って下さいよ、とか、人質とテロリストと恋愛とか、みんな仲良く球技とか…

ただののどかな共同生活みたいになっていて…その辺の分量がやたら多いもので、もはや我慢比べでしかない解放の話はまったく進んでいかない。

あれ、本筋はこっちのほのほのロマンスとか、テロリストと人質か仲良くなる話だったんだろうか、私勘違い?とちょっと途中で分からなくなりました 笑

ちよっとまぶすくらいなら、緩急ついて緊迫感増すんだろうけどね…
ここのパートに分量割きすぎて、本来描きたかっただろう問題提起の方が薄まってしまい、主軸が何だったのか、完全にブレてしまった印象です。

これはあれかな、あの料理とこの料理の美味しいとこどり合掛けメニューを目指したものの、うまく融合しきれず、「えっと、それでこれはなんの料理ですか」てなったやつではなかろうか。


最後どうやって収拾つけるのかと思ったらいきなり襲撃、バンバン撃ちまくって、人質も死んでるし。驚愕。それでいいんか。

ちっともめでたしめでたしじゃないですよ!旗振ってる場合じゃないですよ大統領!一般市民巻き添えですけど!どうすんだ!

どう突っ込んで良いのか、なんだか消化不良で、モヤモヤばかりが残る映画でした…
えむ

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