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ジョーカーのstealthのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.6
“狂っているのは僕か? それとも世間か?

ヒーローコミックス「バットマン」の宿敵として登場するジョーカーは、廃液の満ちたタンクに落下し、異貌となった形相が本性を肥大化させ、世界で最も知られるヒールとなった!!
でも今回のjokerはまた違う道をたどっている。
こころを病み、それでも人々に笑いを提供する貧しい大道芸人が、社会からの孤立や資本主義がもたらす貧富格差といった、現代社会の現実となんとも心苦しい現実。
うぅ…歯痒い!
その中で全てを見透かしたような笑いで呼吸困難になるくらい笑ってしまう病気。
ジョーカーになった彼は苦しいのか、それとも開放感から出る笑みなのか…
どちらでもあると思う。
その笑みはとても不気味でとても悲しそうで美しい。
ダークヒーロー…そんなかっこいい言葉なんて彼にはどうでもいい…
逃れられない運命の結果とヒールが現れる。
人生に選択をできない小さな箱の中で…
それをぶち破った結果、歪んだヒールが現れる。
それは歪んでいるのか、世間がそうさしたのか…
なんとも純粋で心苦しい物語。
一度でいいから素直に笑ってほしかった。
序盤に出てくる痩せ切った、艶かしい体…
これが一番最初に目につく。
ここまで作り上げたホアキン・フェニックス。
狂気に満ち溢れた演技、そして心優しい純粋な子供のような演技、妖艶で美しいダンス、パラノイアを体、そしてなんとも言えない不気味な笑顔、まさしく皆が思うjoker!
とても美しすぎました。

余談ですがjokerは実際の人物にインスパイヤーされつくられました。白い肌、不気味な笑み、不穏な瞳は1928年のサイレント映画『The Man Who Laughs』の主役、Gwynplaine,がそのモデルです。彼はこの不気味な笑みを表現するため自ら顔を切ったといいます。
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