なべちゃん

長いお別れのなべちゃんのレビュー・感想・評価

長いお別れ(2019年製作の映画)
4.0
温かいタイトルです。

長いお別れの意味は映画の中で明かされますが、意味がわかるとそういうことだったのか、認知症ってそういうことなのかと思わされますね。

私の祖父もだんだんと歩くことができなくなり、最後にはしゃべることもできなくなりました。誤嚥性肺炎にも悩まされていました。祖父は戦争を知っている世代なので、突然記憶が戦時中に飛ぶこともありました。若いときの記憶は刻み込まれているものなのですね。

作中では断片的な記憶を呼び起こし、突飛な行動に走るおじいちゃんを家族が温かく包み込んであげます。こうやって接してあげると良かったのかと思わされますが、介護もまた大変なのだと思います。できることは、今この瞬間を笑顔で過ごしてもらうことだけです。夫のために、必死で世話をするお母さんに感銘を受けました。

祖父を亡くしたときには最後にもう一回だけでも祖父を喜ばせてあげられたらと思いました。

しかし、山崎努さんの演技がうまいですね。だんだんと病気が進行していく姿を演じ分けていています。口を一文字に結んで黙っている姿を見ていると、こういう感じだったなと思い出させられますね。
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