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リンドグレーンのtaruponのレビュー・感想・評価

リンドグレーン(2018年製作の映画)
4.6
自分が小学校の頃、大好きで、何度読んだかわからないほどだったのが「やかまし村」シリーズ
子どもと一緒に、ロッタちゃんもいっぱい楽しみました。
(なぜか、ピッピは、苦手で読めなかったのだけど・・・)

作者アストリッド・リンドグレーンの16歳~22歳の一番苦しかった時代を描いた作品です。
1920年代(ちょうど、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の時期)
溢れるばかりの好奇心とエネルギーと才能を持った少女が、自分の進む道を探し、恋に落ち、予期せぬ妊娠、出産。英語題名の「becoming Astrid」の通り、いかに子どもの心に寄り添い、子どもが共感する世界を描く作家Astridが出来上がったのかが描かれる。





以下、ネタバレあるので、下げますね





とにかく、途中からは涙が流れ続けて、とまらない。
マリーのもとで子どもを産むところ、クリスマスに出産したことを取り繕うために子どもを置いて故郷に帰らなければならないけれど、母乳を無理にとめ涙ながらに我が子と別れる場面。故郷の教会で赤ちゃんの泣き声に母乳があふれだしブラウスに沁みる。頑張ってようやく里親のもとから引き取れる状態を整えたけれど、息子にとっては里親のマリーがママで自分は他人に過ぎないことを悟るところ。マリーの病気がきっかけで、ようやくひきとったけれど「ママのところに行きたい」と泣かれるし、そもそも息子はデンマーク語しか話せない(似ている言葉だから意思疎通は何とかできるけれど)百日咳で寝付けない息子に自分が作ったお話を聞かせて、それがきっかけで心が通じ合っていき、初めて「ママと一緒に寝てもいい?」と言って息子がベッドにもぐりこんでくるところ、そして田舎の家族からようやく受け入れられるところ・・・

アストリッドは、自分の欲するものを1つ1つ勝ち得ていくけれど、その道は本当に茨の道で、迷いもするし弱気にもなる。
そこにある自分らしく生きたい気持ち、そして子どもに対する愛情に共感する。

そして、私的に一番衝撃的だったのは、息子の名前がラッセだったこと。
やかまし村の、いちばんやんちゃなお兄ちゃんがラッセ。
あぁ、ラッセだったんだってなんかストンと腑に落ちた気がして涙が溢れてきた。もちろん、本当の息子さんと同じキャラだとは思わないけれど・・・・・・それでも、やかまし村のラッセは、6人の子ども達の中でもひときわ魅力的。好奇心にあふれ、いろいろ新しいことをやってみたいし、意地っ張りな面もあるし、一番の兄貴分だからリーダーシップがある 決して優等生でも何でもないけれど、生き生きと生きている
ラッセという名前を通して、アストリッドの愛を受け取った気がした。

冒頭、ラストに晩年のアストリッドが子ども達からもらったファンレターを読むシーンが描かれるのだが、彼女自身も子どもの頃を忘れないようなエネルギーに満ち溢れていたし(ダンスの場面はステキ!)、ラッセとのああいった絆があったからこそ、魅力的な物語が生まれたのだろうなと思った。

アストリッド役のアルバ・アウグストがとてもよかった。
ラッセ役の子も可愛かった。