ひでやん

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREYのひでやんのレビュー・感想・評価

3.7
悪、爛漫。

受精からヴィランになるまで、自らの生い立ちをアニメ仕立てでざっくり説明するので、冒頭からジョーカーのような重苦しさは皆無。どっかーんとジョーカーへの絶縁状を叩きつけ、束縛から解放されたハーレイ・クイン。と同時に後ろ盾を無くし、憎まれっ子世に叩かれる。

悪いわあ。なんだ、この天真爛漫なヴィランは…。ゴッサムシティの評価はイマイチでもShe So Cute。ダイヤを飲み込んだ少女を守るため悪党と戦うのだが、悪VS悪というより、小悪魔ちゃんVS大悪党である。で、暴れまくって悪党を蹴散らしていくのだが、男=敵なので、女VS男の構図となる。

「男を蹴散らしたい」「マリリン・モンローをやりたい」「ガールズチームを作りたい」という女性制作陣の思いが感じられ、その「撮りたい画」のためにストーリーがあるように思えた。胃の中のダイヤ、大概を知らず…。こうなればヴィランは「出さぬなら殺してしまえクソんガキ」と言いそうであるが、「出さぬなら出させてみせようクソダイヤ」と下剤を購入。そんで、「出るまで待とう」とソファでテレビ。

狂気が不安定で、少しばかりキャラにブレを感じたのだが、ハーレイ・クイン=マーゴット・ロビーというイメージを今作で定着させたと思う。なんといっても今作最大の見所はアクションだ。弾帯から缶状の弾を取り出し、ボッフンと撃ちまくるカラフルな発煙弾。逆立ち蹴りや水面蹴りなど、予測不能でアクロバティックな足技。地面に叩きつけたバッドを敵に当ててキャッチしたり、髭を燃やしたり。もう、警察署襲撃シーンだけでお腹いっぱい。

最凶ウーマンがワンチームとなり共闘するのは嫌いではないが、「多対多」の画はゴチャっとなりがちなので爽快感が薄れる。「一対多」の方がやっぱり気持ちいい。ブラックマスクは特殊能力もないただのマフィアなので、ヴィランとしては小物に思えた。ローラースケートはテンション爆上がりだったが、ハーレイクイン以外のキャラにあまり魅力がなかった。
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