主演のマーゴット・ロビーはもちろん、音楽、演出、構成も最高。
この先、元気がなくなった時はこの映画を見ればいい、と思えるほど最高だった。これは女の子を元気付ける映画、ガールズ・エンパワメント・ムービーだ。
この映画はハーレイが男（ジョーカー）と別れることによって動き出す。ジョーカーと別れて後ろ盾を失ったハーレイはひとりぼっちだ。
友達だと思っていた子達にお酒をを振る舞おうとして陰口を聞いてしまい、誰にも渡せずじまい。
お気に入りのエッグサンドも1人で買いに行って、1人で食べようとする。（チェイス・シーンが始まってなかなか食べられないのだけど）
この時点で食べ物や飲み物をシェアする人がいないのが、彼女の置かれた状況をよく表している。
ひとりぼっちだったハーレイがひょんなことから1人の女の子を守ることになって、その過程で女子たちとチームを組むことになる。
いずれも過去があり、少し影があるのだけど、それぞれ相当に腕が立つ。
女性のアクションシーンというと華麗な絵面が多くてそんなに痛そうに見えないこともあるけれど、この映画では、がっつり「入ってるな」という感じの蹴りが炸裂する。シークエンスも相当練られており、マーゴットはアクションもできるんだな、と感心してしまう。重量感あるアクションというだけでなく、そこはかわいいハーレイのこと、バズーカーをぶっ放すとキラキラのラメが飛び出すし、ジョーカーとの別れを知らしめるために爆破したケミカル・プラントは燃え上がり花火まで上がってとてもカラフルだ。
女の子が覚醒してめちゃくちゃやる映画なので、アクションシーンだってカラフルなのだ。
力を合わせて戦っていく彼女たちは、過去や冴えない現状、鬱屈した状況を華麗になぎ倒していく。
最後のシーンで、ハーレイが飲み物を運ぶシーンがあるが、今度は仲間たちと一緒に飲むことが出来ている。
エッグサンドを一緒に食べる人もいる。
冒頭でハーレイが、「これは私たちの物語」と言うように、共に覚醒して乗り越えることで、女の人生が始まるのだ。
