カズナリマン

足跡はかき消してのカズナリマンのレビュー・感想・評価

足跡はかき消して(2018年製作の映画)
3.8
ジョジョラビットのあの子の鮮烈デビュー作!

親子の大自然サバイバル映画ですが、静かな語り口で、大して悲劇的な大事件は起こらないのに、忍び寄る2人の関係の終わりの足音がなんとも切ない…

●一応ストーリー

PTSDに苦しむ退役軍人ウィルは、13歳の娘トムとともにオレゴン州ポートランドの森の中で人目を避けるように暮らしていた。ところがある日、散歩していたトムがジョギング中の男性に見つかり通報されてしまう…

主演がベンフォスター(疑惑のチャンピオン)だし、めちゃめちゃ地味なつくりだし、案の定日本劇場公開はパスされちゃったのですが、アメリカでの評価はとても良く、とくに本作でデビューしたトーマサイン・マッケンジー嬢の演技は全米の批評家協会賞で軒並みブレイクスルー賞(新人賞)を受賞!

抜擢されたジョジョラビットでも素敵なダンスを披露して、もはやダンス女優としての地位を不動のものに!(嘘)

と思ったら、本作の監督は「ウィンターズ・ボーン」でジョニファーローレンスをオスカー主演女優賞にノミネートさせた女性監督デブラ・グラニックさんなんですねーー!

なるほど。こりゃ女優が輝くわけだ。

ウィンターズ・ボーンのように子供達が貧乏に追い詰められる貧乏アクション映画とは違いますが、ふたりの選択がじんわり心にしみる、味わい深い映画でした!
あーうまい空気吸いたい!

余談ですが。

本作に登場するうさぎの名前が…チェーンソー。

笑いは狙ってなかったと思います。よし、今度うさぎ飼ったらアイスピックにしよっと。