ギャグセンスはかなり良かったです。恐らく映画が笑わせようとしているタイミングは大体笑えたと思います。会話がメインの映画ですが、キャラクター達は至って真面目に変な言動をすることがほとんどだったので、ここが笑えるポイントですよというあからさまな描写がなかったです。そのおかげで逆にコメディが目立っていたと言えるでしょう。
何カ所か笑えるポイントはありましたが、特に音楽が一番面白かったです。何度か使われる劇中劇のテーマのようなかっこいい曲が普通のシーンでも使われている時があり、そのギャップが個人的にはツボに入りました。
上にも書いた通り、確かにギャグセンスはいいですが、この映画は何故か観客を笑わせようとすることがかなり少なかったです。あらすじもバカげていますし、キャラクターもそんなに良くないのでコメディ映画で全然いいと思いますが、その割には面白いポイントがあまりなく、よくわからない劇中劇について話しているシーンや全く内面を紹介されないせいで退屈なラブロマンスの話ばかりしていました。
劇中劇と人間同士の愛を描いた映画ですと今年は「真実」が出て来ましたが、確かにあの劇もよく紹介されていませんでした。しかし、あちらは本編の中で撮影を見ているキャラクターが、そのシーンの中で感情を度々変化させていたので、彼女らを通してみればそれも面白かったです。ですが、本作は劇やその役者に向ける感情が全くわからなかったせいで、登場人物の内面やスポンサーの意向などは完全に他人事でした。そのせいで、ずっと退屈させられました。
もしかしたら、彼らの国柄を知っていれば劇中劇の内容も面白くなったかもしれないので、それらに詳しい人には面白い映画なのかもしれないです。あと、ラストの落ちはけっこう唐突だったのでそこまで笑撃的ではなかったと思います。1.5点に近い2.0点なので、まだマイビューティフルデイズの方が見れました。
