本作の監督のドゥニヴィルヌーヴは一番尊敬している監督の1人です。前作も彼の持ち味である映像美にかなり酔いしれることが出来た作品でした。今回もそれを期待していたのですが、意外にも全く違う雰囲気の作品でした。かなり話の焦点を絞っていて、スッキリしていたし、やっていることの意味が1つ1つかなりわかりやすかったです。
前作は映像を長回しで撮ってその意味は視聴者が勝手に解釈するような作品でしたが、今回はやってることのほとんどがしっかりと説明されていて、かなりわかりやすかったです。
そう言う意味でかなり娯楽作品に振りきっているような作品でした。ドゥニヴィルヌーヴ監督作品はどれもそれとはかなりかけ離れた感じだったので、それはけっこう意外だったし新鮮で個人的にはたまにはこういうのもいいかなと思いました。
とはいえ映像は素晴らしく、CGクオリティがすごかったのはもちろんですが、一部監督の味が出ているシーンもあって良かったです。あるヴィランが活躍するシーンです。そこはその脅威が戦う前から視覚的に伝わっていて非常に引き締まっていいシーンだったと思います。
後は音響も結構よかったです。特に前作も出て来たサンドワームが砂を蹴散らしているシーンが今回もありますが、その重い音がリアルでかなり臨場感を感じました。サンドワームが出てくるシーン結構多いのですが、出てたシーンはどこもすごく好きでした。
ある一瞬だけCG微妙だなと思いましたが、キャラクターは前作より良くなっていたように思いましたし、娯楽用その中にもドゥニヴィルヌーヴのアーティストらしさが一部エッセンスとして混じっている感じで、かなり新鮮な映画体験が出来ました。
前作よりも一般受けするような内容だと思うし、彼の監督作品の中では一番一般層にもお勧めしやすいと思います。
