モノヒロ

メランコリックのモノヒロのレビュー・感想・評価

メランコリック(2018年製作の映画)
3.9
「One Goose」という聞いたことない映画製作ユニットさんの第一作目の長編。評判はかねがね。劇場には行けず、レンタルで。

最近、毎回劇場に観に行かなかったことを後悔している気がする。今年は気になったらなるべく行こう。今行けねぇけど。

働き始めた銭湯が、実は人殺しが行われる秘密の場所として使われており、主人公はたまたま殺人現場に遭遇してしまい……、みたいなあらすじ見て、もっとえぐいヒリヒリするブラックコメディを期待してたら、なんかほんわかあったか青春劇だった。いい意味で変で、深い味わいのある映画。
脚本的に粗い部分は結構あるんだけど、淡々とした話運びと役者さんの超自然な存在感で、受け入れてしまうリアリティ。脚本的なずさんさとかがだんだん気にならなくなってくる。
役者さんが軒並み素晴らしい。全員に実在感がある。説得力が一気に増幅。
特に主人公皆川と松本の二人。見た目に反してどちらも普通にいいやつ。東大だけど実家暮らしのフリーターと、女を知らないプロの殺し屋。相反してるようで、人生の楽しみを見出だせてないという共通点を持ってて、そこがラストに繋がる。その一瞬のために。刹那的で深い余韻を感じさせる終わり方もいい。
もうちょいグロ多めでも良かった気はする。設定の割にはパンチ不足は否めない。予算のせいか。いや、実はそれも狙いなのかも。

とりあえずとてもいい映画を観たという幸福感を得られました。この瞬間の為に映画を観ています。
「One Goose」さん。次は絶対観に行きます。

ありがとうございました。
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