モノヒロ

のぼる小寺さんのモノヒロのレビュー・感想・評価

のぼる小寺さん(2020年製作の映画)
3.6
小寺さん、腹立つわぁ 笑。
僕が一番憧れるタイプの人間。

純粋にのぼることが好きな小寺さん。回りの目は気にしない小寺さん。進路希望用紙に、「クライマー」と書く小寺さん。美味しそうに大盛ラーメンを食べる小寺さん。一言で言っちゃえば天才肌。しかも可愛い。そんな魅力的過ぎる小寺さんを、見てしまう伊藤健太郎さん演じる近藤。
うん。そりゃ見るわ 笑

そんな小寺さんに関わったみんなは、触発されるように、前に進んでいく。最初は友達にカメラ雑誌を見られるのも恥ずかしがっていたありかは、カメラで好きなものを撮りはじめ、学校も行かず遊び呆けていた梨乃はネイルスクールに通いはじめ、暗かった四条は、小寺さんを追うようにボルダリング部に入って変わっていき、近藤は楽そうだからという理由で入った卓球部を頑張ってみるように。

見てるこちらも、触発させてくる小寺さんを演じる、工藤遥さんが素晴らしい。個人的に思ったのは、目の据わり方。本当にのぼることが好きそうな、真っ直ぐだけど絶対頭おかしいと思わせるあの目がとても良い。
ラストのキリンレモンの使い方が素晴らしい!青春はキリンレモン!

気になったのは、近藤と仲がよかったであろう、卓球部の二人のキャラクター。後半で、握手のくだりがあるんだけど、そこはどういう意図だったのだろう。正直、近藤が完全に切り捨てたように見えた。それはしょうがないのかもしれないけど、それで終わらせてしまったのが、個人的には残念。変わるにしろ変わらないにしろ、彼らの内面を少しだけ知りたくなった。
あーいう、なにも考えて無さそうなキャラクターにまで深みを与えてくれたら、もっとこの作品を好きになってたなぁ。

でも、青春映画としてとても優れてるし、ラストは予想外の悶絶も出来る、いい映画でした。
モノヒロ

モノヒロ