KOUSAKA

カーマイン・ストリート・ギターのKOUSAKAのレビュー・感想・評価

4.5
ドキュメンタリー映画ということもあり、映像的な演出にはそこまで期待していなかったんですが、まずしょっぱなから流れる激カッコいいアヴァンタイトルの映像に完全にブチのめされました‼️😭

アップテンポで激しいカントリーブルース調のインストをバックに、今作の主役の一人、パンクガールのシンディが、ギターのボディにウッドバーニングで「Carmine Street Guitars」と刻んでいき、最後にそれがそのまま映画タイトルになる。この最高にイカしたアヴァンタイトルだけで個人的には5億点です‼️‼️

内容的にも本当に素晴らしく、ギター職人リックと、弟子のシンディ、そしてリックのお母さんドロシーの3人、まずこの「トリオ編成」が最高に素敵でもあり、ちょっとコミカルで可笑しくもある😆

特にお母さんのドロシーのたたずまいはキュートすぎます☺️お店のはたき掃除と電話番が主な仕事で、電話に出るときの「カーマイン・ストリート・ギターです」って言う姿と声が何とも可愛らしい😆壁にかかっているロバート・クワインの写真が傾いているのを何度も直そうとして最終的にあきらめるくだりも最高😆

そもそもニューヨークの建物の廃材を使ってギターを作るということ自体が、本当にロマンチックで夢のある話だし、そのワンアンドオンリーの温かみと「音」を求めて、キラ星のようなスーパーギタリストたちがお店に訪れては、ギターを手にした瞬間、あるいはギターを弾き始めた瞬間に感嘆の声を上げる姿を見ているだけで、こちらまで幸せな気持ちにさせられます☺️特にドラマチックな演出もなく、淡々と何気ない日常の会話が続くだけなんやけど、その一言一言のやり取りが愛らしく輝いて見えるんよな〜。

個人的には、1リスナーとして音楽はめちゃくちゃ聴きますが、楽器についての知識はほぼ皆無なので、こういう映画はすごく勉強になるし、マーク・リボーが言っていた「表に現れる曲や演奏が光だとすれば、その影には楽器を作る人や、演奏する場所を提供してくれる人などがいるんだ」というセリフは心に沁みました😭
KOUSAKA

KOUSAKA