サヨ

さよなら、退屈なレオニーのサヨのレビュー・感想・評価

さよなら、退屈なレオニー(2018年製作の映画)
3.6
高校卒業、という子どもでも大人でもないモラトリアムの時期。映画ではゆったりと時間が進む中で、レオニーの将来やその計画について急かす周囲と”人生は長いのよ、急いでない”と答えるレオニー。服の着こなしも最高にかわいくてレオニーのこと、安易に好きになっちゃいました。

暗に拗らせている、と一言で言うには足りない。レオニーはこの街も人もつまらなくて嫌い、だけど他人に期待してしまう幼さやいじらしさや、態度に出してしまう幼稚さや人を簡単に傷つける危うさもあって。思春期の頃にこの映画を見ていたらレオニーの幼さや衝動的なところに共感して感化されていたと思う。着の身着のまま、衝動的にバスに飛び乗ってどこか違う場所へ行きたくなる気持ち、すごく分かる。

暗闇の中で野球が始まるシーンはレオニーがこの町から消えた蛍のよう。蛍が綺麗な水や自然を求めて生きるように、レオニーもバスに飛び乗って自分らしく生きられる場所を探して生きていくのでしょう。
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