ニャーニャット

プロメアのニャーニャットのレビュー・感想・評価

プロメア(2019年製作の映画)
3.5
「プロメア」ようやく観た。「スパイダーマン:スパイダーバース」と同時期に同じような革新的ルックの作品が出てきたことに驚く。
今までのCGアニメ作品はCGバリバリ使っててもセル画ルックにしてみたり、作品のリアリティを失わないために実写ではあり得ないようなカメラワークなどは控えてた印象なんだけど、「プロメア」はあえてポリゴン的なルックを前面に押し出してカメラワークも実写やセルアニメーションでは不可能な動きが全開。
ピザ屋の釜の炎はいわゆる普通の炎であったことから見ても確信犯的に炎を独特な表現に仕上げている。水や氷の表現も同様。そこには温度を感じさせないし、ナチュラルななにかはまったく感じない。炎を表現しているのにこんなに熱そうじゃない炎も珍しい。火消しの話なんだけど、その見た目は火を消している感じがいい意味で皆無(笑)

ストーリーはというと最初は「X-MEN」のようなミュータントと「人間」の対立を描くことで差別を描こうとしているのかとも思ったけど、あまりそこに重きを置いてる感じではなさそうで、落ち着くところに落ち着いていく。
個人的にイマイチに思った点で、ガロのジャンプ的主人公属性があんまり好きじゃないんだよなあ。基本的に知性が皆無で、裏表なく、自分が気持ちいいか気持ちよくないかで生き方を選んでたら、すべてが「正義」につながっていて、徐々に周りから尊敬を集めていく感じ。まったく価値観を共有してない。

役者さんの声優はよかったなあ。とくに堺雅人の後半のがなりなんか最高だったよ。