やはりイーストウッド監督作にハズレなし
元園芸家の老人アールは麻薬カルテルの運び屋を担うことになる一方で、失ってきた家族との絆を取り戻そうとする
またもやイーストウッドによる実話ベース
主人公は完全にイーストウッド自身の映し鏡であり、『グラン・トリノ』と同じ構図です
老いさらばえた男が家族への贖罪を捧げるストーリー
まんまイーストウッド本人ですね
『許されざる者』以降自身のキャリアを踏まえた上でのメタ的なメッセージを込めた作品が多いですが、今作もまたその系譜
ストーリーのテイストは意外にもコメディで驚かされました
カルテルの兄ちゃん達と段々と仲良くなる件や若い美女にハッスルしてるシーンは「爺さん大丈夫かよ⁉︎」って思いながら完全に兄ちゃん達と同じ視点で見てしまいましたw
アールが語るシーンは全て名シーン。若人に対して向けられるアドバイスは一つ一つに歳の分の重みが感じられます
ラストは決してハッピーエンドではないですがもう感動して言葉が出なかったです
ロングショットからゆっくりアールがフレームアウトしていくラストカット。人生の幕引きという演出でしょうか。しかし「老人は死なずただ消え去るのみ」とは違った、贖いの余生をアールは過ごしたのではないかと私は思いました
イーストウッド、『グラン・トリノ』でもだいぶ歳とってましたがその先の姿を見せてくれた事にただただ感謝です…
多分主演監督作はこれが最後でしょうね
やっぱりイーストウッドはすげぇや