めしいらず

ハッピー・デス・デイ 2Uのめしいらずのレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)
3.8
いかな傑作映画においても続編にはがっかりさせられるケース多々であるけれど、本作にあっては前作を軽々と超えて来た。前半のコメディテイストはより一層強化され、後半のエモーショナルな展開にはまんまとしてやられたり。何でもかんでも主人公に都合よい筋書きに辻褄合わせするような類いの、よくある安っぽいタイムループものとはわけが違う。過去に起きた辛い出来事。それをなかったことにしたい気持ちは誰だって理解できる。でもそれを乗り越えて今がある。悲しみを受け入れる姿勢は生きていく上で誰にも必須であって、受け入れたくないからとなかったことにしようとする態度は人間の退化を意味している。人生は決して上書きできないのだ。だから、せっかく再会できた母に改めて別れを告げるシーンの厳しさと覚悟が唯々美しく、まさにこの映画のハイライトだった。母娘の会話に込められた思いが心に沁み入るようで、何と素晴らしいシーンだろうかと思う。ただ終盤のドタバタがやたらと長く、最後には先ほどの感動が少々目減りしてしまっていたのだけが個人的には惜しまれる。ともあれ傑作であるのには変わらない。
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