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蜜蜂と遠雷のRRRのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
3.7
・若手の登竜門となる世界でも注目されているピアノコンクールに 神童と呼ばれた子供の頃のトラウマを克服し 再起をかけ望む亜夜、努力家であったり異端児であったり…それぞれの想いを乗せ天才同士がぶつかり合い 晴れの舞台に挑む…的内容 恩田陸の同名小説を映画化

・楽曲たっぷりで尺が2時間弱だったとは思えぬ音楽面での満足感でした ガラスの様な硬質さ、花びらの様なしっとりとした柔らかさ、トレーシングペーパーみたいに紙なのに半透明と言う不思議さ…読む度に質感を想像させる独特の恩田陸の世界観が上手く表現出来ていた様に感じました 何とも言えない演奏後の余韻もとても心地良いものでしたね
・(芸術)と言うのは個人的には自分を映す鏡の様なものかなと思ってます 自分がやった通りのそのままが直で自身に返って来る、感情をまんま映し出して目の前に差し出される、自尊心とかズタボロですよ…恥ずかしくて見てられん程残酷で 
 何よりもまず自分の心が健康でなければ真正面から向き合えない類の(諸刃の剣)なんだと… 
 ピアノなんてそれは如実でしょう、どのシーンも剥き出しの刃物っぷりにヒリヒリとした緊張感があり 瞬きを忘れそうに…
・昔の様には剝き身のままではいられなくなったし切磋琢磨の場へとダイブ出来なくなったな…と思い返したり 
・芸術に身を置く青春の眩しさが少し切ない 面白かったです
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