ハゲゾンビ

ちいさな独裁者のハゲゾンビのレビュー・感想・評価

ちいさな独裁者(2017年製作の映画)
3.9
2017年ドイツ映画。

公開当時この作品の不快感に賛否が別れたとか。

制作側も
●主演が残虐なシーンの撮影でショック状態
●他のキャストも泣き出して撮影が中断
●監督自らも撮影中にショック状態になる
随分と精神的に追い込まれた撮影だったみたいで気になりますね❗

この作品も実話の映画化で主人公のヴィリー・ヘロルトも実在の人物。
監督はブルース・ウィリスやモーガン・フリーマンが出てた「RED」の監督の人、こんな作品も作るのか🤔

まず邦題がダメですね。子供がなんかのきっかけで権力を握って独裁者になると思ってたけど全然違いました。

ではあらすじをさらっと
第二次対戦末期の1945年4月、すでにドイツの敗色濃厚のとある戦場で戦闘を放棄して脱走した下っ端兵士のヘロルト。若干二十歳の彼は逃げる途中で乗り捨てられたドイツ軍の車の中にあった大尉の制服を着て上官になりすまし、道中で出会う兵士を次々に部下にして軍隊を作ってしまう!
そしてドイツ脱走兵収容所にたどり着き、そこで極悪非道の大量虐殺を繰り返すが❗

彼が発見した大尉の制服のサイズが大きいのを無理やり合わせてるので“ちいさな独裁者”ということでした✨
このことが作品の大事な要素にはなってます。

感想としてはいろんな捉え方があると思いましたね🤔
○制服という外見だけで簡単に支配されてしまう独裁と洗脳。
○薄々勘付いていたが誰もそれを指摘できない心理。
○主人公ヘロルトは身分詐称がバレるのを恐れて敢えて虐殺を繰り返した。本物の大尉だったらそこまでしなかったのか?
○脱走兵とは言え、同じドイツ人にそこまでやるとはやはり彼は残虐な人間だ。
○彼の人間性ではなく当時のナチスドイツに問題がある。彼は自身の生存本能がナチスの独裁と洗脳を利用させただけ。

冒頭、脱走したヘロルトが大尉の制服を見付けたシーンはヘロルト目線で描かれていて自分ならどうするか?制服を着るか、そのまま逃げるのか?
自身に問いかけられている気がして緊張感があったし、ラストも展開も色々考えさせられました🤔

後で調べたら監督は「外側からでなく内側から語り、観客に主人公の心理状態に一体化させるのが狙い」だったらしいのでまんまと術中にハマりましたね💦

問題の残虐シーンですが人体破壊とか内蔵破裂などの虐殺の直接的な描写とかはありませんでしたね。ただ実話だけに充分嫌な気持ちになります😱
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