てっぺい

キャッツのてっぺいのレビュー・感想・評価

キャッツ(2019年製作の映画)
3.0
【耳福映画】
2時間ほぼ音楽。その豊富さと歌唱力のレベルの高さに耳が喜びっぱなし。バレエにタップに色んなダンスでその音楽を彩り、舞台の世界観を見事に落とし込んだ映像美にはキャッと驚く笑
◆概要
観客動員数世界累計8100万人、日本公演通算1万回の同名ミュージカル映画化作品。監督は「レ・ミゼラブル」のトム・フーパー。製作総指揮はスティーブン・スピルバーグ。出演は英国ロイヤルバレエ団プリンシパルのフランチェスカ・ヘイワードのほか、ジェームズ・コーデン、テイラー・スウィフト、「ドリーム・ガールズ」のジェニファー・ハドソンら。
◆ストーリー
「ジェリクルキャッツ」と呼ばれる野良猫たちは、年に一度開かれる「ジェリクル舞踏会」に集まった。その日は、新しい人生を生きることを許される、たった一匹の猫が選ばれる特別な夜だったが…。
◆感想
2時間ほぼ音楽ぶっ通し。タップの入ったリズマカルなものからメロディアスなものまで、耳が喜ぶ豊富さとそのレベルの高さ。そんな音楽をダンスで彩り、猫人間という圧倒的なオリジナリティ映像で輪郭化した唯一無二の映画。その世界観に入れるか入れないかで楽しみ方が変わってくる。
◆音楽
ジェニファー・ハドソンの圧倒的な歌唱力の「メモリー」に鳥肌。予告で何度も聴いたはずなのに、あのサビの盛り上げにガツンと乗るビブラート効きまくりの力強い歌声が今でも聞こえてきそう。劇中何度も流れて監督の推しなのが分かった「ビューティフル・ゴースト」も良かったし、個人的には鉄道猫がゆっくりとスピードマックスに至るタップダンスがめちゃくちゃ好きでした。初めから終わりまで、音楽のない尺が数分しか無い感覚、というか本当にそうだったと思う。素晴らしい音楽体験でした。
◆CG
フルCG化した「ライオンキング」と違い、舞台の世界観内で映画にとことん落とし込んだ本作。色んな映画で実現されてきたのであまり驚かなくなったけど、それでもあの毛の質感や、ピクつく耳に揺れる尻尾は見ていて不思議。あの街並みや屋敷内はフルセットとの事で、その本気度も垣間見えるし、舞台を限界まで映画に落とし込んで素晴らしいと思う。ただその反面、ゴキブリ人間を食べてしまうもはやホラーなアウトプットにも。あれが例えばフルCGだったらまだ違和感がなかった訳で、人間のままで動物を表現する本作の筋は、ある意味諸刃の剣だったようにも思えた。

長老がなぜ戻ってこれたのか?天上へと上がる事が象徴するものとは?(猫はみんな死んでいるという解釈もあるらしい)いくつか飲み込めないプロットがありつつも、まあフランチェスカ・ヘイワードの美しさ。お顔もさることながら、バレエダンサーならではの脚の筋肉美には終始眼福。見惚れ続けた2時間でした笑
◆トリビア
〇目の周り以外は全てCG。のべ2500人のCGエンジニアが起用された(https://eiga.com/news/20200124/13/)。
〇ジェリクルキャットとは、”Dear little cat”の意(https://www.chacott-jp.com/news/worldreport/tokyo/detail015792.html)。
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