広島カップ

UFO -オヘアの未確認飛行物体-の広島カップのレビュー・感想・評価

2.6
シンシナティの空港に現れた未確認飛行物体の正体に数学を専攻する大学生が得意の難解数学を武器に迫る物語。

隔靴掻痒。
たけしの超常現象スペシャルとか矢追純一のU F O特番的なものを期待して観てしまう私のような人にとってはそんな感じがしてしまうかも知れない作品です。でもその痒い所が本作の味かも知れません。

これまでの人生で私は一度だけ未確認飛行物体と遭遇した事があります。
夕暮れの北海道の広い川原で焚き火をしながら一人キャンプをしていた時でした。
ビールを飲みながら仰向けにひっくり返って暮れていく空を見上げているとちょうど私の真上に強く明るく輝く星が見えるのです。それはずっとその場に止まっていたので「あの星は何という名前なのだろうか?まだ暗くないのにやけに明るいなぁ」と暫く考えておりました。
一分ほど経過したでしょうか。それが不意にゆっくりと左の方に動き始めるではないですか。
「おおっ」と思い緊張感が走りました。
耳をそば立ててもヘリコプターの音など聞こえません。何より全身が光っているそれがヘリコプターのはずがありません。
ゆっくりと勿体をつけるようにそれは私から離れて行ったのでじっくりと観察する事ができました。
星が瞬くように光が微かに動揺しています。ライトのようなものは見られませんでした。お皿や葉巻きのような典型的なボディは観察されない。回転しているようにも見えない。
過去の映画作品から拾うとすれば『未知との遭遇』(1977)の母船から出てくる小型偵察船に更に先行して飛んでいる小型のボール型飛行体に似ている。
やがてそれはゆっくりと遠去かり小さくなり視界から消えました。
私の頭上に止まっていたのは私を観察していた為でしょうか?矢追のリポートにあるUFO連れ去り事件の当事者になっていたかも知れません私。笑

そんな経験をした人間から観ると本作で主人公がそれを目撃する場面はやはりドキドキします。
たけしや矢追のようにいかにも大袈裟におどろおどろしく登場させてくるのでは無く、車のフロントガラスにさりげなく映すというのが憎いですね。
でも痒みは残ります。
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