カスカベ防衛隊のシーンは絞って、野原一家の活躍に重点を置いた作品。
『オタケベ!カスカベ野生王国』でも家族の歴史と絆が描かれていたが、ここではさらに夫婦のことがテーマとなっている。
テレビ版でも感心する、女性視点での「あるある」ネタが上手く、脚本家に女性が実に多い。男女が不平等な時代の先を行っている。
また、毎度おなじみ敵キャラの「かぶりもの」がカモノハシだったり、カブトムシだったり、意味不明で良い。楽しみにしている。
そして奮闘、今回は何よりも、みさえが大活躍する。
珍しく既成の、挿入歌が入るタイミングも選曲も良くて、ストレートに感動を誘う。
ジブリやその他の「いい子」「いい人」ばかりアニメでなく、すけべでケチでダメダメという、我々と等身大の一家の姿こそが感動を生む。
余命半年とか、事故死とかいう大量に作られているラブストーリーよりも、感動する。
さらに何よりも楽しい。前作でのオマージュであるトロッコのシーン(『嵐を呼ぶジャングル』や『野生王国』)もある、だから我々はしんちゃんの映画を毎回観に行くのだ。