ミサキ

映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~のミサキのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

キングダムの鑑賞後、移動時間5分で別スクリーンのしんちゃんへGO。
ひろしが取り上げられている作品にハズレはない(例:ロボとーちゃん、オトナ帝国など)という私の中のジンクスの元、右はファミリー、左はカップルに挟まれながら鑑賞しました(笑)

タイトルに新婚旅行とあるように、本作の主役はやはりみさえとひろし夫婦。トレーラーやCMではひろしがメイン、という印象を受けましたが実際はみさえもメイン(というよりむしろ主人公)と感じるストーリーでした。

公式のあらすじの通り、おおまかなストーリーとしては、「オーストラリアに遅めの新婚旅行に行った野原一家、行った先でひろしが『お宝のカギ』として原住民である仮面族に攫われてしまう。仮面族VS世界中のトレジャーハンターVS野原一家の三つ巴のひろし争奪戦が始まる!」というものです。

もちろんひろしが攫われてからが本作の本番ではあるのですが、それまでのシーンもかなり見ごたえがあります。

今作、まず新婚旅行に行くという流れになる理由が「格安のツアーがあるから」なのですが、もちろん新婚旅行と名の付く通り、野原一家以外は初々しいカップルが多く…そんな中、結婚してしばらくたち子供もいるひろしとみさえは気恥ずかしく思ってしまう場面も多く…と、まずは些細なすれ違いが始まります。このすれ違いがもー映画ではあるあるなんでしょうがもどかしい! 見てるこっちはどっちの状況もわかるがゆえにあああ~!と悶絶してしまいます。そしてすれ違ったままひろしが攫われてしまい…。

攫われてからも夫婦・そして家族を想う野原一家にときめきが止まりません。私の中で野原一家は日本で理想の家族モデルの一つだと思っているのですが、今回もその考えを更に強めてくれる内容でした。トレーラーでも取り上げられていたひろしの「お前たちだけで帰れ!」のシーン、ある程度しんちゃんの映画のパターンを知っている人からしたら「そうだろうなあ」と予想できてしまうとは思いますがやっぱりそうだったのか!とわかるシーンではもう号泣不可避…。

全体を通してひろし、みさえの描写が多く新婚旅行、夫婦とは、というのが主題だったのでしんちゃん映画にはありがちですが大人向けに感じました。私の隣に座っていた小さい男の子を連れていたお父さんが随所で泣いていらっしゃって、ああ~わかるな~これ泣いちゃうよな~と思いながら私も横で静かに泣いていました。(怪しいおひとり様成人女性…)未婚・子供もいない私でさえこんな夫婦になれたらいいなあ、とじーんとして号泣してしまったので、それこそしんちゃんを見ている世代のお子さんがいらっしゃるお父さん・お母さんに見て欲しい作品です。

…と言いましたがもちろんしんちゃんも見せ所はあります。正直ここが今作の中で私の一番の泣き所だったのですが、子供たちを置いてみさえが一人で助けに行こうとしたときのあの一言…どうやったらしんちゃんみたいな考えの子供を育てられるんですか…。野原一家は育児の天才なのでは?

ただ、ストーリー自体は泣き所は多いもののそれを無理やりつなげた感が若干否めなかったのと、オチが少々弱いかな…と。上で例に挙げたロボとーちゃんやオトナ帝国などと比べると「んんん??」とちょっとすっきりしないです。こうやって思い出しつつ書いても話の流れがあんまりはっきりと思い出せないのが、私の中ではストーリーの流れはいまいちかなあというのを如実に表していますね…。あと敵がイマイチはっきりしない感じが…まあ今回は仮面族もトレジャーハンターもお宝を狙う、という漠然としたものなので仕方がないのかもしれません。ジュンコの心の動きもちょっと分かりづらかったので、「こいつ急にいい奴になったな」となったのは私だけじゃなかったと信じたい…。

またゲスト声優ですが、ほぼずっと出ずっぱりのジュンコを演じる木南さんの演技が素晴らしい! 俳優さんや女優さんが演じた時に気になる違和感など一切なかったです。スタッフロールの際に「そういえば木南さんだったっけ!」とやっと思い出したぐらいでした。ここ最近は俳優さん女優さんも皆さんとても頑張ってますね。今年のコナンの山崎さんもかなりすごいなと思ったんですが、それを軽々と超えました…。ぺこりゅうもラブラブ(死語)カップル感がちゃんと出ていて、ひろしみさえと良い対比になっていました。

話題になっていた過去作に出演されていた声優さんの再度起用も、こんな役で…いいの…!?といつものしんちゃんでした(笑)

個人的には私の様におひとり様で見るよりは、彼氏彼女、夫婦などが見ると楽しい実写のものよりは軽いロマンス映画のように感じました。いや、独りで見ても楽しいんですけど! また、しんちゃんらしくわかりやすい笑いどころも多いので、まだまだ夫婦愛だ家族愛だがわからないお子さんも楽しくみられると思います。
ミサキ

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