ラッパーのANARCHYが映画初監督を務めた作品。ANARCHYの実体験も盛り込まれたオリジナル・ストーリー作品。
貧困家庭で、吃音ゆえに暗い青年が、母子家庭の母親が昏睡状態になり極貧生活からラップで這い上がろうとするさまを描く。
ラッパーとなって人生の逆転を狙う、というと傑作映画「ガリーボーイ」があるが、その日本版。
ラップには詳しくないのでANARCHYというラッパーは知らない。実際のラッパーたちがラップバトルを繰り広げる場面があってそこはよかった。
が、しかし全体的に脚本が悪い。原作のプロットはそこまで悪くないのだが、脚本の細部が詰められてないのでかなりできの悪い陳腐な脚本になっている。
今どき自己責任を連呼するソーシャルワーカーなんていないし(警官にはいそうだが)、妹がデートクラブで売春してるからと、返してもらいに殴り込みに行って返り討ちにあう、なんてのも陳腐。しまいにはラッパーとして成長していくシーンをすっとばして、いきなりラッパーとして成功する。一番ぐっとくる練習シーンをすっとばすなよ!!
プロのラップシーン以外には特に見所のない作品でした。材料は良かったのに、料理の仕方を間違えたね。素人の初監督作品なんてこんなものなのだろうか?