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国家が破産する日のバナバナのレビュー・感想・評価

国家が破産する日(2018年製作の映画)
4.2
1997年に起こったアジア通貨危機の韓国での対応を映画化した作品。

素人にも分かりやすいように、中小企業の工場経営者、韓国銀行の女性課長、金融庁の官僚、市場の動向に気付いて証券会社を脱サラし、逆手に賭けて大儲けするトレーダーと、4組の目線で描かれています。

まだトレーダーの人は、損した他の人の財産を一手に一人で分捕り財産を増やすのだとしても、それは世の中の動静を見極めることができるその人の才能な訳だから、世知辛いとは思いつつも、まだ認めることは出来るんですが、腹が立つのは官僚の人ですね。

ハーバードを出ているくせに、その知能を国民の為には使わない。
財閥には情報を流すけれど、それは保身の為。
自分一人が沈まなければいい、利を得れればよいとする考え方。
それじゃあ何の為に官僚になったのか。国の基幹にこういう人ばっかりが居るのだとすると、そりゃあ国は衰退していきますよね。

韓国銀行の女性課長さんが一人で頑張るのだけど、実際は男性だったとしても、“国や国民を守ろう”とする人がこんなにも居ないんじゃ、一人じゃ無理ですよね。
日本でも非正規雇用が増え、解雇が簡単になってますが、日本でもここまでの状態になったら、私なんか完全に庶民だから、あれよあれよと、木の葉のように流されてしまうんだろうな。

映画自体は社会の構造を分かりやすく描いており、この様に整理して見せられる脚本で映画を作っているところが、韓国映画は凄いと思います(日本だと、曖昧だったり、薄すぎたりして、結局よく分からなくなりそう)。

でも、マスコミは文政権の批判は全くやってませんね。
あんなに共産主義寄りで、大丈夫かと思うけど。
日本も二極化の時代が始まったと言われていて、余所の国のこと言えないので、怖い内容でした。
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