予告編でヤベーものを見させられた気分になって、つい見てしまった。そういう人だらけで映画館は結構入っていた。もはや話題作なのね。観ると、、、ヤベーからスゲー(色々と笑)に変わる。
チリのアニメーション作家クリストバル・レオンとホアキン・コシーニャは初めて知る。世界にはまだまだ知らない刺激的な作家がいるものだ。
今作は、短編『骨』と作者の初長編作『オオカミの家』の2本立。
🎞️小窓 実写パート~チリの村にあるドイツ人コミュニティの解説映像、、、ここは楽園ですがひとたび逃げだそうという人がいたら、、、ワーグナーのニュルンベルグのマイスタージンガーが流れてのアニメパートスタート~はじまり
📖コミュニティからマリアという女の子が逃げ出し、森の中の小屋にたどり着く。そこには2匹の豚がいて、しばらく過ごすが、オオカミの声が聞こえてきて。。。というおはなしらしい😅
短編『骨』と同じく、これもある映像の修復を頼まれて、、、という体のファウンドフッテージモノだった。
冒頭のコミュニティ解説のパートはとても重要で、コロニア・ディグニダというチリのドイツ入植者のコロニーで、いろいろ事件を起こしたヤバイ集団らしく、他にも同じコロニーを題材にした映画が何本もあるらしい。全然知らんかった。事前知識を持って見るとまた理解が深まる内容ではあるが、知らなくてもその表現だけでも十分楽しめる。
世界のアニメ表現はいろいろな手法があるけれど、本作みたいなのは初めて見た。全ての映像が直接絵画として描かれていて、それを何回も上から塗り直しながら、それをコマ取りの様に取り続けるとこうなるという、、、なんだか途方もない手間暇かけて作られてる。それだけでも凄い。キャラクターが常に一定ではなく(そこが従来アニメとまず違う)、絶えず書き換えられるし、登場するのも消えるのもいちいちその都度描かれるというのはとても新鮮。
それでキャラクターが全部ヤバイ感じの禍々しさ満載で、ほとんどホラーというか悪い夢見てる感じがずっと続く。初めて見るけど、見たことあるかの様な悪夢感がいいです。
オオカミというのは、どうやらコロニーからの追手のメタファーらしいが、こうやって寓話化されるとさらに不気味さが増して良い。『オオカミの家』という題名いいよね。ダークファンタジー感。
一応ストーリーあるみたいだけど、次々と繰り広げられる表現に目がいってあまりストーリー追えない感じはこういう作品あるある。
最後のいかにもな終わり方は、皮肉が効き過ぎてこのコロニーのやばさを一番表してるのであろう。
パンフレットを見ると撮影風景とか手法が解説があってさらに面白いです。なるほど制作過程そのものがパフォーマンスとして展示してたのね、、、こういう作品と制作がほぼイコールというのもとても現代的ですな。
ファウンドフッテージもの以外の作品も見てみたいです👧🐖🐖🐺