R

ザ・ゲーム ~赤裸々な宴~のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2018年のフランス、ベルギー合作のNetflix独占配信作品。

監督は「この愛のために撃て」のフレッド・カヴァイエ。

あらすじ

皆既月食のある夜、久々に集まった友人たちは携帯に送られたメールやSNS電話のやり取りをみんなの前で発表するゲームを行うことになるが…。

内容が面白そうだったので、鑑賞。

これ、イタリアの「大人の事情」のリメイクなのね、そっちは未見。

いやぁ、なかなかに語りがいのある作品だった。なんの気なしに見始めたけど、面白すぎて、美容院遅刻しかけたわ笑。

内容はあらすじの通り、間違いなく何かトラブルが起こらないわけがないゲームを発端に友人同士がギスギスする話なわけなんだけど、このゲームのプレイヤーが1人を除いて、熟年夫婦のカップルなもんで序盤はそんなにスリリングではない。

多分、同じことを親世代の夫婦にさせても大体の夫婦はおんなじような感じになるのではないかなー、いやどうなのか。

多分、おんなじ事を俺自身が参加してもフィルマークスのいいね!が1件、2件くるか、仲のいい友だちからのLINEが来るか来ないかの寂しい感じになると思うと…悲しいね泣。

けど、これはあくまでも映画なわけで、そんなちょっとしたメッセージ一つとっても、なんとなくピリつくのが面白い。

例えば同じ幼なじみの中で、いじられ役のベン(グレゴリー・ガドゥボワ「間一髪」)だけサッカーの試合の誘いがなかったり、 「スティーブ・ジョブス」と表示された(もちろん本人ではない)男の電話→さも浮気かと思いきや、会社の同僚でしたーなシーンなど、何か決定的なことが起こりそうで起こらない展開に一喜一憂(主にゲスな心で)しつつも、見せ方とテンポが良いからかサクサク観れちゃう。

ただ、中盤ある決定的な出来事が起こるんだけど、作中では倦怠期夫婦のカップルであるオバマ首相にクリソツなマルコ(ロシュディ・ゼム)の携帯にこれから入るであろう女のセクシー画像送付バレを阻止するために同じ機種を使っているベンと携帯を交換することになるんだけど、なんとかベンに罪を被ってもらって、やれやれと思いきやベンの携帯に「ジュリアン」という謎の人物からメッセージが!!からの流れがもうハラハラ!

その結末は作中1番予想外だったわけなんだけど、興味深かったのが、それまで冷たくクールな印象だったマルコがちゃんと自分のこととして友だちであるベンを守ったというところ。

ここら辺が非常に大人だなぁというか…俺だったら、ちがうちがう!これベンの!!って言ってしまいたくなるくらいこれからの関係性が変わってしまう事態なのに…いや、あんた偉いよ!トマ(ヴァンサン・エルバズ「軽い男じゃないのよ」)も見習え!!

あと、大人といえば、作中その料理のどうなのっぷり以外では細波を立てない男ヴァンサン(ステファン・ドゥ・グルート「少女ステファニーと運命の旅」)の年頃の娘との対話シーン。

お、お、大人〜!!なんという父親だよ。日本なら娘の初体験なんて是が非でも守りたくなるようなもんだけど、ちゃんと貞操を守るべきかどうなのか娘さんの心情に寄り添って、なおかつ仲の悪い奥さんのマリー(ベレニス・ベジョ「クローゼットに閉じ込められた僕の奇想天外な旅」)の顔も立てつつ話を聞くスタンス、いや大人〜!!

全国のお父さんはこれを観て見習った方がいいかもしれませんな笑。

その後もどんどんひどい展開になっていくんだけど、雨降って地固まるじゃないけど、なんとなくめでたしめでたし…と思いきや、それまでのゴタゴタは皆既月食が見せた「if」の世界だったというオチ。

なるほど、皆既月食の夜は奇跡が起こるかもしれませんねって伏線があったけど、その奇跡の現場を目撃したのは我々観客だったのね、上手い。

ただ、これよく考えると、ということは問題は何一つ解決していないどころか有耶無耶になっているだけで、この後彼彼女らがどういう結末を辿っていくのか…と考えるとなかなかにビターな味わいもある作品だった。

ただ、やっぱこの作品観ちゃうと人のプライバシーってのはそう易々とのぞき込んじゃいけないのねってこと。まぁ、俺はその心配ないんだけどね泣!!
R

R