けんたろう

影裏のけんたろうのレビュー・感想・評価

影裏(2020年製作の映画)
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回覧板には気をつけようと思わせてくれる素晴らしいおはなし。


松江・出雲を歩き続け、神社に感動し続け、脚と心の休憩のため来館&鑑賞。
…まぁしかし、休憩で観るような映画ではなかった。覚悟はしていたけど。


はじめ、今野(綾野剛)のもとに謎の女(筒井真理子)が現れる。
映画『よこがお』を観たからなのか、それは関係ないのか分からないが、彼女に気持ち悪さ・恐怖を感じる。
これから始まる奇妙な物語を予言するかのようなオープニングにゾワゾワとした。


主人公は今野。
女将さんに「そこに愛はあるんか。」と問われることに疲れ果て、盛岡に転勤してきてた。
しかし転校や転勤などで着いた新天地に馴染むのは難しく、そんな中で初めてできた友というのはやはり特別なものだろう。
彼にもそんな人物がいた。唯一気を許せた友達・日浅(松田龍平)である。
彼のおかげで職場にも慣れ、休日も充実し、順風満帆な日々を送っていたが…

というのがあらすじのようなもの。
面白かったのは、今野、日浅問わず影の裏に隠れた何かが徐々に明るみになっていくことだ。

そしてもっと面白かったのは、明るみにできそうな部分がまだ残っていることだ。
劇中に日浅はこう言っている。
「人を見るときは影の裏っ側。一番濃い所を見るんだよ。」(正しいセリフは忘れた)
僕はまだ今作の登場人物の裏っ側を見切れていないし、彼らも彼ら自身で見切れていない。
その行為を諦めてさえいる。

なるほど。
あんまり他人のことを見ようとすれば、その人を嫌いになってしまうからやめておけ、ということなのかな。


うむ…全く分からない。
分からないけどひとまず咥えてみよう。パクッ

今野「あれぇ?見ない顔だなぁ。どこからきたんだお前ぇ?」