これは評価が真っ二つだろうなあ。
「生死が軽い」
「ノリが理解できない」
「MV的でこれは映画ではない」
等々の批判が巻き起こるだろう。
だが、逆にこれらの要素が生々しい現代を写すようだと思うし、自分はそこに共感した。
日々、パソコンやスマホ、ゲームに触れるなかで極論を言えば人と触れ合わなくても稼げるし、味がなくても栄養のあるものは沢山ある。
そんな背景もあって僕ら
デジタルネイチャー世代の間で生の実感が薄れつつある。
ゲームやスマホに熱中していると
感情を表情に出すことを忘れてしまうし、
たとえそれは親が死んでも涙なぞ出ない体にしてしまう。
高校生の自分の過去を思い出すにつけ、感情をうまく面に出せない子だったので、自分は自分の映画として観ることができた。
とはいうものの、感情がない平板な人物に感情を取り戻させていくにしては物語ひとつひとつに親の死を超える以上のパンチはなかったし、そこでつまづいた人も多かったのではないか?
それと同時に、前作では25分ほどの短編だったため、気にならなかった映像的表現が途中で飽きてしまった。
個人的にうぃーあーうぃーあーりとるぞーんびーず!のMVシーンがピーク。
それ以上は蛇足だったかもしれない。
生の実感が薄れている僕らデジタルネイチャーが最後にたどり着いたのは、ゾンビソングでしたで終わるやつ。
総じて、8ビットカルチャーに彩られた画面や音楽が心地よく響きわたり、子どもたちの無気力感、中島セナの謎の美少女感がとても好きなもう一度見たい作品。
色合いも青、緑、赤、どれにも染まらない白が混ざり合い、カットバックも細かく、美しかった。
LIVEのシーンはYouTuberに熱狂する昨今の小学生を見ているようでした。