鷺宮テラス

新聞記者の鷺宮テラスのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
4.6
場面から場面に切り替わる刹那スッと没入しやすい余韻がすごくイイ。

アメリカ育ちの記者が英語で思考する英語脳だから工夫して日本語の仕事に対応する姿が描かれていて素敵だった。その姿勢が外国の方の目を通して日本を見つめられているような気がして自分も客観的になれた。

存在が謎のベールに包まれてる印象のある内閣府(すんごい多岐に渡るリサーチャー機関ということしか愚生は知らない)を舞台にして思わず唸る。どのような方がそこに赴任しているのか"一部"でも知れるよろこび。

こっち側とあっち側。

本作の二人の立場は真逆でも似てる。どちらも雁字搦めであろうしがらみの中、仕事をこなし上司と向き合う。時間をかけてそれぞれの背負っているものが描かれていて美しかった。

昔のマスコミの方が良かったとは微塵も思っていないけれど政治部より立場の弱い社会部のデスク役の北村有起哉さんの存在が超絶良かった。

主演のシム・ウンギョンさんの透明感?薄い?不思議な存在感がなぜか一緒に働いてる感覚を味あわせてくれる。

松坂桃李さんと本田翼さんの夫婦役もイイ。この二人の場面がうれしい箸休め。

音楽と演出が終始同じパターンなので少々飽きるけれども映画として純粋にたのしめるところが好き。
鷺宮テラス

鷺宮テラス