この映画で描かれた"物語"をみて、これが現実だとしたら、自分はどう思うか。
それを、私たちにより強く突きつけるために、ほとんどの人が記憶に新しいであろう出来事をモチーフにしているため、描かれているフィクションが、全てフィクションなのかはわからなくて、(例えば、内調の話やダグウェイの話)、それが恐ろしく、混乱と不安を感じて苦しくて仕方ない。
政治にはそれをしっかりと追求できる野党の存在を、メディアにはジャーナリズムの姿勢を、私たちも情報を見極めるリテラシーが求められるなと感じる。
前半は、実際の出来事についての自分の知識や記憶と、映画内での描き方をリンクさせたり、登場人物それぞれの立場、政府の構造、情報操作などさまざまな側面を把握することで結構疲れてしまったけど、話の焦点が定まったあたりからは、見やすい。
鑑賞後、改めて、実際の報道内容との距離感を確認しつつ、この映画が今上映されている意義を感じ、今後もこういう作品が作れる映画づくりの環境を応援するためにより多くの人に劇場で見て欲しいと思う。
ただ、期待値みたいなものがある分、質として物足りなさはある。